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尻の穴

キスダム 第九節 咎人 ツグナイ

咆哮する狼騎さんの許へ現れた玲。
彼女は「自分の中のハーディアンが怖い」とうずくまる狼騎さんに「じゃあ、償わなきゃね」と哀羽さんから死者の書を奪うことを提案します。
死者の書を奪い、ネクロダイバー、真の救世主となること。
人々の死を「ハーディアンの血のせいである」とする彼にとって、それはとても聞こえのいい言葉でしょう。

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「なるほどな…」
「え?」
「俺を焚き付けて、哀羽を葬り去ろうって魂胆か」
「魂胆だなんてそんな」
「亜久里もそうやってけしかけたのか」
「まあ、人聞きの悪い」


アバン終了



砦へ向かう哀羽さんたちの車の前に飛び出してきたのは、死んだと思われていたレジスタンスの少年、カズキ。
意識を失う直前「ネクロダイバー」と呟いた彼を乃亜が保護しますが、直後にハーディアンが出現。
哀羽さんが応戦しますが二体目のハーディアンが現れたことでイエラたちの乗った車が危険に晒されます。

そこへ突如登場、ハーディアンの腕を叩き斬ったのは「裏返り」と化した狼騎さん。
地中へ逃げ込んだ敵を追撃、止めを刺します。

彼は哀羽さんに対面すると「強くなったな」と評し、カズキの姿を発見するとその生存を喜ぶ。


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「兄貴…なんでこんなところに?兄貴が留守にしたら砦が…」
「…みんなは死んだ」
「え…」
「おまえたちの敵を討とうとして…殺された。ハーディアンに」

* ゚・*:.。.:*・゜+ d(*´∀`)b うそです +.:*・゜゚・*:. *

前回のお話を覚えていない人のために言いますが手足をもいで引き裂いたのは狼騎さんです。大嘘です。

「なんでだよ!」と狼騎さんに言葉をぶつけるカズキ。
対して狼騎さんは「弱かったから…俺が弱かったから…すべては俺の責任だ」と発言。
確かに狼騎さんの責任なので嘘は言ってないですが、虐殺した本人が言うことではないですね。


その事実を知らない哀羽さんたちは司令への敵意を露にする狼騎さんに「一緒に戦おう」と誘いかけますが狼騎さんは「それはできない」と突っぱねます。

「俺は悟った。真の救世主になるには、裏返りじゃ駄目なんだ。伝承者、ネクロダイバーじゃなきゃ駄目なんだ」
「だが、これからは約束を守る!交わした約束は必ず守る!守らなきゃいけないんだ!」

「哀羽、だから俺に…!」

裏返りとしての、ハーディアンの力を取り込んだ姿に変貌する狼騎さん。
「俺にくれ!死者の書を!!」



Aパート終了
Bパート


激しい攻撃に地面に伏しながらも戦いを拒む哀羽さんに「黙れ黙れ黙れ!!」とさらに拳を振りかぶる狼騎さん。
「どうしてお前なんだ!お前がどうしてネクロダイバーなんだ!どうして俺じゃなかったんだ!!」

激昂する狼騎さん。
哀羽さんは辛うじて彼の体を跳ね除けますが、高速で体を回転させて地中へと潜る狼騎さんは簡単には捉えることができません。

激化する戦いに乃亜たちは退避。「私は伝承者と共にある」と言うヴァルダを残してその場を離れます。
イエラが言うには「裏返りとネクロダイバーの戦いは半端じゃない」。さすが、前回の亜久里さんとの戦いで軽く死にかけただけあって深みがあります。


NES隊のリーダー格だっただけあって手強い狼騎さん。
一方、哀羽さんもヴァルダの探知能力で位置だけは把握できるものの、かつての仲間に対しなかなか本気で戦うことができないようです。

地中からの攻撃により追い詰められていく哀羽さんたち。
ついに液状化した地面にヴァルダが捕らわれてしまいます。

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「私にかまうな」
「黙ってろ!」
「その手を」
「黙れって言ってるだろ!」
「やはり、失格だ」

哀羽さんの叫びも虚しく、地中へと消えていくヴァルダ。
彼女の索敵がなくなったことにより哀羽さんは狼騎さんに対して攻撃・防御ともに一手遅れてしまいます。
さらに狼騎さんは死者の書を奪い、ヴァルダを自分のものにすると宣言。

「そうなのか!?狼騎の言ったとおりになるのか」
「回答不能だ」
「前例がない」

動揺する哀羽さんにさらなる狼騎さんの攻撃。
膝をついた彼に狼騎さんは死者の書を渡せと詰め寄りますが、哀羽さんもゆずりません。
「渡せばヴァルダを、大事なしもべを失うことになるからな」
「ふん、大したご主人様だぜ。スタンドプレーがモットーの貴様が、いつからチームワークを重んじるようになったんだ!?」

哀羽さんの首を掴んだ狼騎さんはそのまま投げ飛ばし、連続攻撃。

「いつもいつも規則を破りやがって!!連帯責任を負わされる、こっちの身にもなってみろ!!」

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「俺はいつも規則を、そして約束を守ってきた!なぜだかわかるか!わかるかって言ってんだ!!」


狼騎さんの中でフラッシュバックする記憶。
家族、そしてレジスタンス。

「約束ってのは守らないとろくなことにならねえんだ。だから俺は誓ったんだ。交わした約束は必ず守る。一度決めたことは、必ず最後までやり遂げるってな!!」

「相変わらず押し付けがましい野郎だぜ」

そんな彼を前に、哀羽さんはニヤリと皮肉っぽく笑います。
「お前は昔からそうだった。自分のルールを他人に押し付け、それに従わない者は許さない」

「それは、相手のことを思っているからこそ」

「それが恩着せがましいって言うんだ!お前がこれまで、人との約束を守れなかったっていうのは、そのせいなんじゃないのか」




その頃カズキを連れた乃亜たち一行は砦にてレジスタンスの遺体を発見。
その様子を見て凶器を「鋭い爪」と想像しますが、カズキには当然、ハーディアン以外に心当たりがあります。



「俺じゃない!!俺は悪くない!悪いのはハーディアンだ!俺の中に流れるハーディアンの血なんだ!」



自分のしたことを全てハーディアンのせいであると断じる狼騎さんに対し、哀羽さんは「お前が守りたいのは約束か、命か」と問いかけ、彼が動揺した一瞬の隙を突いて右腕を斬り落とします。


片腕を失った狼騎さんは再び地中へ潜行。
ヴァルダのいない哀羽さんには手も足も出ません。

(ヴァルダ…どうする、お前なら)

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(思い出せ、あの時のことを)

この日本人形がなんなのか、どうしてヴァルダに似ているのかはサッパリわかりませんが、その言葉にヒントを得たらしい哀羽さん。
狼騎さんが地中を進む方法を以前遭遇したハーディアンと同じように、超音波によるものと考えます。

「だとしたら――!」



「ヴァイレ!激震!!」

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『 ア ル カ ダ ス 』!!!

哀羽さんの腕から発せられる振動により大地が震え、ソナーを失った狼騎さんはたまらず地上へ飛び出してきます。

その機を見逃さず、哀羽さんは畳み掛けるように攻撃を加える。


「目を覚ませ!狼騎!!」
「やめろおおおおおお!!!!」

『デス=ツァール』!!


「包め!ヴァラール!!」

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『ソグ=シード』!!!




狼騎さんが意識を取り戻したとき、そこにはレジスタンスたちの遺体と、真実に気づいたカズキの姿が。

「兄貴は救世主なんかじゃない!救世主の振りをした、悪魔だ!!ハーディアンなんだ!」

カズキの許へ静かに歩み寄る狼騎さん。
「お前の負けだ」と哀羽さんも静止しますが、狼騎さんは構わず変身。
左腕の爪を哀羽さんに向けます。

「そうだな、俺は負けた。ハーディアンに。自分自身の心の弱さに」

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「哀羽、生き残った人たちを、生まれてくる命を、人類の未来を、頼む」

狼騎さんは最期に少しだけ微笑むと、自らの喉元へ爪を突き刺し、自ら命を絶った。




崩れた砦から脱出した彼らは、カズキにも一緒に来るかと誘いかけますが、彼はここに残り、レジスタンス、そして狼騎さんの供養をするようです。

そして、今回も結果的にとはいえ蘇った仲間をもう一度殺してしまった哀羽さん。
悲痛な面持ちの彼に、亜久里さん、そしてNIDFの仲間たちの声が聞こえます。

「シケたツラしてんじゃねーよ」

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(…たとえ敵となっても、生きていてくれれば…まだ救われる)



(由乃、お前に、お前に会いたい)






つづく。
by kaname1102 | 2010-06-13 20:56 | レビュー