キスダム 第十二節 明暗 アイシュウ
月夜の荒野でハーディアンと交戦する哀羽さん。
なんとか倒しきりますが乃亜やイエラを守りながらなのでヴァルダからは「失格。いまだ無駄な動きが多すぎる」と辛口の評価を突きつけられます。
「敵を倒すことだけを考えろ。誰かのために戦おうなどと思うな。」
「好きにさせろ…」
その哀羽さんの傍ら、倒したハーディアンの死骸を調べていたイエラはその体に「顔」がないことに気が付きます。
「小型だが危険な相手だ」
「人間にとっては有益な面もある」
「有益…?」
「彼らの体組織タンパクのアミノ酸は光学的にL型」
「おまえの消化器官でも食べられる」
「あ、あたしダイエット中だから…」
そんな中、哀羽さんが取り落とした太陽のペンダントを拾い、彼に手渡す乃亜。
受け取った彼は礼を言いながら月を見上げ、由乃のことを思い出します。
「失格」
「失格」
「失格。感傷は隙を作る」
「黙れ」
◯
そしてそことは違うどこか。
「シュウ」
うなされたように呟く女性の姿が。
◯
イエラたちは川のほとりで食料を得るべく狩りをしています。
動物たちはその数を急増させ、活動範囲も広がっていて、人口の減少を感じさせます。
「あれも食べるのか?」
問われたイエラはしかしその足元に発砲し、追い払うに留めると「まだ人間様の世界は終わっちゃいない」と強い口調で言い放つ。
その後、食事の準備をする乃亜はふと思い立ち、川岸に放置されていた戦車をいじる哀羽さんの許に歩み寄ります。
悲しみに暮れながらも「今を生き抜く」と告げる乃亜と、「由乃のことを忘れない」と言う哀羽さん。
乃亜はそれを聞いて悲しそうな表情をしますが、「うん」と頷きます。
◯
燻京香はモニタールームで自らの計画、つまり遺跡調査・対ハーディアンに見せかけた伝承者の選抜計画について真崎に語っています。
哀羽さんが伝承者・ネクロダイバーとなったことは彼女にとってアクシデントであり、計画の修正には彼を倒すことが必要、と彼女は考えているようです。
一方、真崎は独自に玲の動向を探っているらしく、司令からは「世話を掛ける」と労われます。
どうやら、司令の側も一枚岩ではないらしいですね。
◯
その頃哀羽さんたちは街に到着。
左右の建物の角度がおかしいような気がしますが気のせいです。
建物の被害は少ないですがその街ではハーディアンによる「人間狩り」が行われていて、住人たちは今晩にも全員が連れ去られようかというところです。
ハーディアンの正体は先日の「顔のないハーディアン」とその本体。食料として適していたのもそのためだったようですね。
広場には娘を奪われた母親が悲しみに暮れる姿が。
イエラはそれを見て「助けよう」と提案、乃亜は哀羽さんに意見を求めますが肝心の彼はアパートの外壁を見つめ、不意にそこへ攻撃を加えます。
そこにいたのは、優雅にお茶を嗜む玲。
「良かった~覚えてくれちゃってたのね。哀羽シュウくん……あ、今はもう違うわね。お久しぶり、ネクロダイバー」
◯
「お前も司令とグルだったんだな」
「そうよ」
「やつに協力して、世界を崩壊させた」
「そうよ」
「そして、由乃を殺した!」
「そうよ」
私も憎い?
そう訊かれた哀羽さんは激昂、玲を攻撃しますが彼女の姿は一瞬でどこかに消えてしまいます。
ヴァイレ、ヴァラールのマーキングとユック=ミ=ゴーの力を併せ周囲を探索しましたが残っていたのは偵察用のドローンのみ。
取り逃がしてしまいました。
◯
半壊した別荘風の家へと戻った玲は引き続き優雅にプールを泳いでいますが、そこに真崎が登場。
彼は伝承者に不用意に接触する玲に釘を刺しに来たようですが、逆に彼が監視のために飛ばし、彼女に利用されたドローンのことを指摘されてしまいます。
「駄目よ?女の子のこと覗いちゃ……バン☆」
「ドローンを処分するために、わざわざ彼らの前に?」
「観客はバッターボックスに立てないでしょ?」
真崎は無言で立ち去ります。
◯
残されたドローンに残されたおおまかな位置情報を読み取った哀羽さんは、燻京香の情報を求め歩き出します。
そんな彼にイエラはここにいる人々をどうするのかと言葉を投げつけますが、彼は「勘違いするな」と一蹴。
「俺の目的は、最初から由乃の敵を討つことだ!」
あくまで京香を探すと言う哀羽さんと、人々を守るためハーディアンに立ち向かうと譲らないイエラ。
目的を違えた二人は背を向け、別々の方向へと歩き出し、そんな彼らを引き留めようと乃亜は声を張り上げます。
「シュウ!あなたがしようとしていることは、今生きている人よりも大事なこと?シュウ!」
「そうだ!」
「俺は、由乃がすべてだ!」
◯
哀羽さんという頼りになる存在を失い不安に揺れるイエラと乃亜、そして「足手まとい」のいなくなった哀羽さん。
どちらも微妙な遺恨を残しながらも、それぞれがハーディアンと対面。
イエラたちは戦闘を避け倉庫に退避(朝まで待つならそもそも夜に行く必要はなかったようにも思えますが)しますがその内部にも小型ハーディアンが潜伏、イエラが連れ去られ、残された乃亜も危機に陥ります。
(助けて、助けてシュウ…!)
そこへ目にも留まらないスピードでハーディアンを次々に切り裂く影が。
「僕が相手だ!ハーディアンども!!」
「シュウ…じゃない…」
イエラの安否に涙する乃亜。
ハーディアンを殲滅しながらもどこか疲れた様子を見せる哀羽さん。
そして…
「おかえりなさい、シュウ」
つづく
なんとか倒しきりますが乃亜やイエラを守りながらなのでヴァルダからは「失格。いまだ無駄な動きが多すぎる」と辛口の評価を突きつけられます。
「敵を倒すことだけを考えろ。誰かのために戦おうなどと思うな。」
「好きにさせろ…」
その哀羽さんの傍ら、倒したハーディアンの死骸を調べていたイエラはその体に「顔」がないことに気が付きます。
「小型だが危険な相手だ」
「人間にとっては有益な面もある」
「有益…?」
「彼らの体組織タンパクのアミノ酸は光学的にL型」
「おまえの消化器官でも食べられる」
「あ、あたしダイエット中だから…」
そんな中、哀羽さんが取り落とした太陽のペンダントを拾い、彼に手渡す乃亜。
受け取った彼は礼を言いながら月を見上げ、由乃のことを思い出します。
「失格」
「失格」
「失格。感傷は隙を作る」
「黙れ」
◯
そしてそことは違うどこか。
「シュウ」
うなされたように呟く女性の姿が。
◯
イエラたちは川のほとりで食料を得るべく狩りをしています。
動物たちはその数を急増させ、活動範囲も広がっていて、人口の減少を感じさせます。
「あれも食べるのか?」
問われたイエラはしかしその足元に発砲し、追い払うに留めると「まだ人間様の世界は終わっちゃいない」と強い口調で言い放つ。
その後、食事の準備をする乃亜はふと思い立ち、川岸に放置されていた戦車をいじる哀羽さんの許に歩み寄ります。
悲しみに暮れながらも「今を生き抜く」と告げる乃亜と、「由乃のことを忘れない」と言う哀羽さん。
乃亜はそれを聞いて悲しそうな表情をしますが、「うん」と頷きます。
◯
燻京香はモニタールームで自らの計画、つまり遺跡調査・対ハーディアンに見せかけた伝承者の選抜計画について真崎に語っています。
哀羽さんが伝承者・ネクロダイバーとなったことは彼女にとってアクシデントであり、計画の修正には彼を倒すことが必要、と彼女は考えているようです。
一方、真崎は独自に玲の動向を探っているらしく、司令からは「世話を掛ける」と労われます。
どうやら、司令の側も一枚岩ではないらしいですね。
◯
その頃哀羽さんたちは街に到着。
左右の建物の角度がおかしいような気がしますが気のせいです。
建物の被害は少ないですがその街ではハーディアンによる「人間狩り」が行われていて、住人たちは今晩にも全員が連れ去られようかというところです。
ハーディアンの正体は先日の「顔のないハーディアン」とその本体。食料として適していたのもそのためだったようですね。
広場には娘を奪われた母親が悲しみに暮れる姿が。
イエラはそれを見て「助けよう」と提案、乃亜は哀羽さんに意見を求めますが肝心の彼はアパートの外壁を見つめ、不意にそこへ攻撃を加えます。
そこにいたのは、優雅にお茶を嗜む玲。
「良かった~覚えてくれちゃってたのね。哀羽シュウくん……あ、今はもう違うわね。お久しぶり、ネクロダイバー」
◯
「お前も司令とグルだったんだな」
「そうよ」
「やつに協力して、世界を崩壊させた」
「そうよ」
「そして、由乃を殺した!」
「そうよ」
私も憎い?
そう訊かれた哀羽さんは激昂、玲を攻撃しますが彼女の姿は一瞬でどこかに消えてしまいます。
ヴァイレ、ヴァラールのマーキングとユック=ミ=ゴーの力を併せ周囲を探索しましたが残っていたのは偵察用のドローンのみ。
取り逃がしてしまいました。
◯
半壊した別荘風の家へと戻った玲は引き続き優雅にプールを泳いでいますが、そこに真崎が登場。
彼は伝承者に不用意に接触する玲に釘を刺しに来たようですが、逆に彼が監視のために飛ばし、彼女に利用されたドローンのことを指摘されてしまいます。
「駄目よ?女の子のこと覗いちゃ……バン☆」
「ドローンを処分するために、わざわざ彼らの前に?」
「観客はバッターボックスに立てないでしょ?」
真崎は無言で立ち去ります。
◯
残されたドローンに残されたおおまかな位置情報を読み取った哀羽さんは、燻京香の情報を求め歩き出します。
そんな彼にイエラはここにいる人々をどうするのかと言葉を投げつけますが、彼は「勘違いするな」と一蹴。
「俺の目的は、最初から由乃の敵を討つことだ!」
あくまで京香を探すと言う哀羽さんと、人々を守るためハーディアンに立ち向かうと譲らないイエラ。
目的を違えた二人は背を向け、別々の方向へと歩き出し、そんな彼らを引き留めようと乃亜は声を張り上げます。
「シュウ!あなたがしようとしていることは、今生きている人よりも大事なこと?シュウ!」
「そうだ!」
「俺は、由乃がすべてだ!」
◯
哀羽さんという頼りになる存在を失い不安に揺れるイエラと乃亜、そして「足手まとい」のいなくなった哀羽さん。
どちらも微妙な遺恨を残しながらも、それぞれがハーディアンと対面。
イエラたちは戦闘を避け倉庫に退避(朝まで待つならそもそも夜に行く必要はなかったようにも思えますが)しますがその内部にも小型ハーディアンが潜伏、イエラが連れ去られ、残された乃亜も危機に陥ります。
(助けて、助けてシュウ…!)
そこへ目にも留まらないスピードでハーディアンを次々に切り裂く影が。
「僕が相手だ!ハーディアンども!!」
「シュウ…じゃない…」
イエラの安否に涙する乃亜。
ハーディアンを殲滅しながらもどこか疲れた様子を見せる哀羽さん。
そして…
「おかえりなさい、シュウ」
つづく
by kaname1102
| 2010-08-17 01:47
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